2024年08月12日

文学誌 流域 を読む

文学誌「流域」を読む 2024.08.11.

 誕生日の翌日、久しぶりに、学生時代の経済学部の同期生大石敏和君から、埼玉県東部の文学誌「流域」が届く。彼は、長雲仙市雲仙市の生まれである。親族を含め、周辺には被爆者が少なからずいる。そのため、原爆をテーマにした作品が多い。

 学生時代には、文学の話をしたことがなかったが、社会人になり、50歳になってから、文学の勉強を始めた。日本民主主義文学会埼玉東部支部に所属し、毎号作品を発表している。亡き被爆者への哀悼ともに、今なお頑張っておられる被爆者への連帯、核兵器の廃絶を願って書いた、とある。

 掲載作品「希望の十字架」は、被爆少女と隣家の同級生少年との、友情というか、淡い恋物語である。彼女は被爆者であると同時に熱心な、クリスチャンでもある。キリスト教の多い長崎地方であるが、全体に比べれば少ない。ゆえに、異教徒としても、被爆者としても差別される。キリスト教は、敵国の宗教であるといじめられ、原爆病はうつるという、根拠のない差別である。

 理不尽ないじめに、彼は彼女を助ける。中学を卒業後、分かれ分かれの生活が始まるが、妹からの手紙で、彼女が死んだことを知る。原爆症の治療のために、毎月入院検査をしていたが、同じ入院仲間の症状から、自分の死期を感じていたのだった。

 作品は、ほとんど会話で構成されている。したがって、方言が随所に出てくる。ナガサキの日に、心温まるプレゼントであった。








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