民藝静かな落日を観る

mayonaka fujita

2014年05月29日 23:17

 樫山文枝に会えた。 
 
 浜松演劇鑑賞会第416回例会は、劇団民藝の「静かな落日」 

 5月22日~26日、5回公演。 アクトシティー浜松大ホール。

 松川事件の被告を支援した、作家の広津和郎と、それを支えた娘桃子の話。 出演 伊藤孝雄、樫山文枝ほか。

 広津の活動は知っていたが、それが題材になるということは、何か重い舞台になるのではないかと想像していたが、全く違った。

 事件の矛盾を脇に置いておいて、父子の歩みを語る。

 広津の、事件にはまっていくきっかけが、面白い。

 友人宇野浩二から「お前あの本読んだか?」の一言。 無関心から出発して、ふと目にした内容にはまって行く。

 「これは、事件の裏に、とんでもないものがある」と読む広津。

 ちょうど、袴田事件が再審決定となり、袴田さんが釈放され、浜松に帰って来たことが、重なって見えた。

 無関係の人を逮捕。 都合の良いストーリーをでっち上げ。 それに合わせた証拠品ねつ造。 連日、昼夜を問わずの訊問。 全く同じだ。

 ところで、今回の静岡講演で、この芝居は終わりになるという。 最後の浜松公演だった。